世捨て人の暮らしぶり

自営業でコピーライターやってるよ。東京と静岡に住んでるよ。ドラムを叩くよ。面白そうな書き仕事なら世界中どこでも行くよ。Twitterは(@mush_me)、Instagramは(chappy__0927)、その他の連絡は→shotasato4@gmail.com だ!

僕の師匠、ドラマー高野 玲の話

親、先生、上司。僕は昔から人のアドバイスや忠告を受けると逆説を唱えて裏道を探すというあまのじゃくなところがあるから、目上の人にとっては可愛がりにくい面倒なタイプの人間だと思う。

 

そして「教わるよりまずやってみて恥かいた方が早いじゃないか」という持論もあるため「こうすれば上手くいくよ」とか「この方が効率が良いよ」という諸先輩方のありがたいお話は「ははぁ<(_ _)>」と頂戴したフリをして右から左に流すことも少なくない。

 

これまでの人生で音楽やビジネスなど何かに取り組むきっかけになった人はたくさんいるが、基本的に僕は我流であることに美徳を感じる意識の低いナルシストなので誰かに教えを請うことはなかったし、これからも無いと思っていた。この人に会うまでは。

 

ということで今日紹介するのは、10年間のブランクによってスクラップドラマーになっていた僕をステージへ復活させてくれたドラム講師の高野 玲(たかの あきら)師匠。

 

僕とのレッスンやバークリー音楽大学時代の話、ミュージシャン・ドラム講師としての仕事についてインタビュー形式でお送りするので、ドラムにちょっとでも興味あるという人は覗いていってほしい。

 

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僕:ドラムはいつ頃からやってるんですか?

 

高野:ドラムは中学校2年生からですね。吹奏楽部に入って最初はバスドラムから。でも最初の2ヶ月くらいは太鼓触らせてもらえなくて素振りだけ(笑)それから1年ほどしてスネアを触らせてもらえるようになったかなぁ。本格的にライブハウスでドラムを叩くようになったのは高校を出てバンド組んでからですね。

 

僕:当時はどんなバンドをやっていたんですか?

 

高野:ハードロックバンドです。髪も腰くらいまで長かったりして(笑)当時はまだCDなんてなかったから自分たちでカセット作ってツアー回ったり。

 

僕:長髪&ハードロックな姿って今の姿からは想像できないですね(笑)そのハードロックバンドを経てバークリーに留学したんですか?

 

高野:そうそう。バンドはハードロックだったんだけど次第にジャズとかフュージョンにも興味が出てきて。そしたら父親が「お前、ジャズだったらいい学校あるぞ?」って教えてくれたのがバークリーだったんですよ。それで「ジャズって習うもんなんだ!」と信じ込んで留学したっていう感じですね。実際そんなことないんだけど(笑)

 

僕:バークリーって世界最高峰の音楽学校って言われてますけど、意外にサラッとした志望理由だったんですね(笑)やっぱり当時からドラムには自信はあったんですか?

 

高野:いやいや全然!ジャズなんて叩けないし。海外とか面白そうだし教えてもらいに行こうくらいの感覚で。ただ入学の条件が「楽器の専門的な教育を1年以上受けていて講師からの推薦状を出してもらえること」っていうやつだったからドラムでは入学できなかったんですよ。

 

僕:え?じゃあどうやって入学したんですか?

 

高野:色々調べたら「入学後に楽器を変更できる」っていうことを知って。小さい頃からヴァイオリンを習っていたからその先生に推薦状を書いてもらってまずヴァイオリンで入学したんですよ。あともう一つの条件だったTOEFL。英語全然わからなかったので頑張って勉強して500点以上取って(笑)

 

僕:映画で「セッション」ってドラムのあるじゃないですか。やっぱバークリーってああいうスパルタな感じなんですか?

 

高野:いやいや全然(笑)先生には優しい人も多かったです。でもやっぱり周りのレベルは異様に高かったですね。世界中から腕に自慢のある人が学びにくる場所だから「ジャズ教えてもらおう〜♪」くらいで行った僕はめちゃくちゃキツかったです、、

 

僕:ちなみに授業ってどういうのがあって、どんな感じで毎日を過ごすんですか?

 

高野:ジャズ、キューバ音楽、作曲、即興演奏とか色々あって自分で選択して授業出るんですよ。それで課題を翌週までにやって来るっていう流れなんだけど、これがまたレベル高すぎていくら練習しても出来ないんですよ(笑)スタジオは24時間空いてるからいつでも練習できるんだけど、授業何個も選択してるから全然追いつかない。それがバークリーの日常だったなぁ。

 

僕:どんな感じか1つ再現してもらえます?笑

 

高野:例えば、こんな感じかな(笑)

 

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僕:見た目簡単そうなのにやってみると出来る気がしないですね。こういう課題が出て「はい、じゃあ来週までにやってきてー!」って感じなんですか?

 

高野:そうそう。生徒にはその場ですぐに出来ちゃう人もたくさんいるんだけどね。僕は何がどうなってんだ?っていう動きを分解するところからはじめるわけですよ。それでも出来ないっていうね(笑)

 

課題が出来てないまま授業受けて、それでさらに課題が追加されるからさらに出来ない。そうすると先生は「君、練習してるの?」ってなるわけなんですよ。「してるよ〜!してるけど出来ないんだよ〜!」って嘆いてました(笑)

 

僕:それ普通に心折れません?っていうか死にたくなりません?

 

高野:ボッキボキに折れますよ(笑)生徒の中には気持ちを病んじゃう人もいたし。僕も2年過ぎた頃は心ポッキリが折れて、「音楽聴くのツラい〜」ってボーッとガンダムのアニメしか見てない時もあったし。

 

僕:そこを乗り越えられた理由は何だったんですか?

 

高野:ある時、授業のレポートを作りながらラジオを聞いてたんです。そしたら、なんか体がリズムを刻んでて、おや?って思ったんです。ラジオから聞こえてくるEarth, Wind & Fireの曲に、無意識に体が気持ちよくノッてて、あ、俺、やっぱ好きなんじゃん、てなって。その時に、今は授業の2割しか理解できないけど、あとの8割は日本に持って帰って何年かかっても消化しようっていう方向に切り替えました。

 

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僕:でも3年半在籍して優等生(Magna Com Laude)で卒業してるわけですよね?

 

高野:筆記はね(笑)音楽理論の授業とかすごい興味あって楽しかったから点数は良かったんだけども。実技の部分はやっぱりなかなか厳しかったですよ。周りには在学しながらプロとして活躍する人もゴロゴロいましたからね。

 

僕:帰国後はどんなことをしたんですか?

 

高野:日本に帰ってきたらまず時代が変わってて(笑)着メロとか流行ってたから作曲の仕事したり。アーティストのレコーディングに参加したりとかかなぁ。

 

僕:でもバークリー卒業したのが2000年あたり。講師業はじめたのって2014年頃ですよね?その間、ドラム講師をやらなかったのはなぜですか?

 

高野:いや、だってバークリーの授業の8割は日本に持って帰ってきてるから。それが出来ないまま人に教えるのは抵抗があったんですよ。だから14年間はずっと自分の練習。それで一通りできるようになって…恐縮ながら先生をはじめてみました(笑)

 

僕:よく言えばストイックの極み、もしくは変態に近いですね(笑)

 

高野:僕はバークリーにいたような天才肌のドラマーでは決してないですからね。たった3年半分の授業ができるようになるまでに14年かかってしまうくらい出来の悪い生徒だったってことですよ(笑)

 

僕:今はドラムとヴァイオリンの講師をされてるんですよね。どんな生徒を教えてるんですか?

 

高野:ドラムは小学生から、「先生、この曲叩きたい!」という大学生。あとは「これからドラムはじめてみたいんです」っていうビジネスマンの方や主婦の方。現役でバンドやってますっていうミュージシャンも来てくれてますね。ヴァイオリンだと3歳の子もこの間来てくれました(笑)

 

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僕:生徒も世代が幅広いですね〜。やっぱりドラム教えるのって楽しいんですか?

 

高野:楽しいですね〜(笑)これやってみて!ってやると出来ないでしょ。でも左手だけ、右足だけとか分解しながら練習していくといつの間にかすごいグルーヴィーに叩けるようになったりするんですよ。そういう瞬間はたまらなく嬉しいですね!

 

僕:たしかに。「そうそう!グルーヴしてきたね!」よく言ってくれますね(笑)

 

ーーーインタビュー終了

 

高野さんは超がつくほど謙虚な人なのでインタビューはかなり控え目になのだけども、底辺ドラマーの僕からしたらそのドラミングや基礎力はえげつないの一言。ちなみに二人で適当に叩いてみると当たり前だがこれだけの差がある↓

 

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「教えもらうとかマジ無理」

「自分のやり方の方がいい」

 

基本的に人の言うことを聞けない僕が、毎回高野さんのレッスンを鵜呑みにしてスタジオで地味な反復練習を繰り返せているのは、その技量もそうだがインタビューにもある並外れた努力や積み重ねてきた歴史へのリスペクトに寄る部分も大きい。

 

かといって実際のレッスンはストイックなものでもなく。むしろ毎回ドラムがどれだけ面白い楽器なのかを教えてくれる。また、出来ないことへの共感力が半端じゃなく高いので先生にありがちな威圧感は完全にゼロ。そして何より、褒め上手なのが嬉しい。

 

何も考えず「これやりたいです!」と持っていった曲がツインドラムだったりすると、こんな感じで一緒に叩いて遊んでくれたりもする↓※リズムが狂ってるのは僕のミス

 

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ちなみに僕の場合は「スティックの持ち方これで合ってます?」 という超初歩からレッスンを開始。10年間のブランクを少しずつ埋めて何とかライブができるところまでは漕ぎつけられた。そして一番嬉しかったのは高野さんのおかげで「やっぱドラム好きだわ〜」と胸張って言えるようになったことだ。

 

もしここを読者の方の中に「趣味でドラムはじめてみたい」や「ドラムもっと上手くなりたい」という方がいたら高野さんのレッスンは超おすすめ。まだ若干名レッスン可能とのことだったので、興味のある人がいたら問い合わせてみてほしい。

 

参考:高野さんのHP

 

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